北斎漫画
葛飾北斎は人物・風景・動物、実に何でも描き、生涯に3万を超える作品を発表しました。版画が有名ですが、肉筆画にも数多く傑作があります。さらに読本(よみほん)・挿絵芸術に新機軸を見出し、「北斎漫画」を始めとする絵本も多数発表しました。
ゴッホなど印象派画壇の芸術家を始め、工芸家や音楽家にも影響を与えています。
「漫画」という言葉は江戸時代、葛飾北斎の北斎漫画で最初に使われました。漫画といっても、今の漫画とは異なり、人物や風俗などあらゆるものを描いた画集です。「北斎漫画」でいう漫画とは、筆のおもむくままに描いた絵といった意味であり「冨嶽三十六景」の作品中にも、「北斎漫画」から図柄や構図の原型をもってきたものが見られます「北斎漫画」という表題は北斎自身がつけたとされています。
北斎漫画は、葛飾北斎が絵手本として作った画集です。北斎が55歳のとき、名古屋の版元永楽屋東四郎(永楽堂)から初編が発行されました。その後1878年(明治11年)までに全15編が発行された。風景、動物・植物・人物・風俗・妖怪などあらゆるものが約4000図も描かれています。
江戸百科ともいえる内容で、江戸時代の人物の服装や風俗などは、写真などの記録がないため北斎漫画がもととなって今映画や漫画で表現されているともいえます。
北斎漫画は、日本国内だけでなく19世紀中頃にはヨーロッパにも伝えられ、ジャポニスムの流行のきっかけのひとつとなり、マネやドガをはじめとする印象派の画家にも多大な影響を与えました。
「北斎漫画」の持つ卓越した描写力と構図に驚嘆し、当時のパリでは北斎を神聖化する人もいたようです。北斎の不朽の名作「冨嶽三十六景」の作品中にも、「北斎漫画」から図柄や構図の原型をもってきたものが見られます。
